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分煙化の進む本学と禁煙化に踏み切れない事情

 

   健康増進法の一部を改正する法律が令和元年7月1日に施行となったことに伴い、本学では喫煙所の一部撤去と各喫煙所に「喫煙場所」「20歳未満の者の立入禁止」であることが明確となる標識の設置が行われた。更には学生団体・職員の協働によるマナーアップキャンペーンが実施され、喫煙者に対し、喫煙場所での喫煙が促された。

 

 

 撤去された喫煙所は並楽館1階テラスと大教室棟3階の2カ所であり、課外活動棟、第2課外活動棟入口前は1カ所に統合され移設された。これにより本学の喫煙所の数は14カ所となった。撤去の対象となった喫煙所は受動喫煙の可能性が最も高いとされた場所であり、以前から学生による撤去要請の声も上がっていたという。

 

 

 今回の喫煙所撤去に際して、現存する喫煙所の利用者の集中が懸念される。そのため設置されているベンチを撤去することにより、長居する利用者の減少を図る試みが現在実施されている。

 

 

一般的に吸いにくい環境を作れば喫煙は減る傾向にあると言われている。しかし敷地内全面禁煙にまで踏み切るのは難しい。喫煙する場所に困った人々が、路上で吸い始める危険性があるためだ。実際2009年4月に敷地内全面禁煙に踏み切った龍谷大学では、校門付近や近くの路上で学生が吸うようになり、「吸い殻が落ちている」などの苦情が相次いだ。そのため大学は分煙に戻した。京産大はキャンパスの規模が大きく、周囲が樹木等に囲まれているためポイ捨てが多発した場合のリスクは大きい。本学では容易に敷地内全面禁煙を実施するわけにはいかないようだ。

 

 

 

本学総務部の嶋田さんは「キャンパス形状の特性上、喫煙所が他大学と比較しても多い。受動喫煙防止のために、喫煙エリアの徹底等マナーの順守を促す。ルール違反がある場合は、撤去も含めて学生団体と協議しながら検討していく。」と話す。今後の本学の動向に注目だ。