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イグノーベル賞


 先日、ワニにヘリウムガスを吸わせて鳴き声の仕組みを研究した京都大学の研究者がイグノーベル賞を受賞した。 

 

 イグノーベル賞とは、ユーモラスで独創的な研究に贈られる賞であり「人々を笑わせ、そして考えさせてくれる業績 」に対して与えられる、ノーベル賞のパロディーである。 過去には「バナナの皮が滑りやすいことの証明」や「インド象の表面積の推測」等非常にユニークな研究が受賞している。ユニークなのは研究内容だけではない。実は授賞式がユーモラスたっぷりで面白いのだ。

 

 授賞式は毎年秋に、ハーバード大学のサンダーズ・シアターで行われる。授賞式当日は、会場に無数の紙飛行機が飛び交い、受賞者である研究者は、まるで幼稚園児かのように一本のロープにつかまってぞろぞろと入場する。8歳の女の子がタイムキーパーを務め、研究者は時間に追われながら研究発表することとなる。授賞式と聞くと厳かな雰囲気を想像するが、イグノーベル賞はどこまでも人を笑顔にすることを追求するのだ。

 

 今年はコロナ禍によるオンライン開催だった。例年のような盛大な授賞式を取り行うことはできなかったが、「ナルシストを眉毛から判別する方法」など入賞した作品はどれも興味深く、ふっと肩の力をゆるめてくれる。興味がある方はぜひ一度受賞した研究内容をのぞいてみてほしい。