昨年からキャッシュレスという単語と一緒にQRコード決済という単語を聞く機会が増えている。キャッシュレスとは現金を使わずに決済を行うことを指し、QRコード決済は会計の際にスマートフォンに表示されたQRコードを使用する決済方式を言う。決済の方法は、レジに設置された機械でQRコードを読み取るだけという簡単なものである。
海外では既にキャッシュレス化が進み、QRコード決済が日常的に使われている国も多い。しかし、日本ではあまり進んでおらず、現金での支払いが多い。そこで最近は様々な会社がQRコード決済のサービスを開始し、ユーザの獲得に必死になっている。対応店舗も大手のコンビニエンスストアや家電量販店などと増え、利用者も増加してきている。
このようにQRコード決済が増加しているが、日本では既にクレジットカードやEdy、Suicaといった電子マネーが多く存在し、利用者は多い。なぜ、それにも関わらずQRコード決済がここ近年人気になってきているのだろうか？
これの要因としては、QRコード決済サービス会社がそれぞれ行なっているキャンペーンが大きく関わっていると思われる。昨年末から各社がキャッシュバックキャンペーンを数多く行なっている。会計時にQRコード決済を利用することで利用額の何割かを後日ポイントで利用者に返金するというものだ。このようなキャンペーンを行うことによって各社が利用者の獲得を行なっている。
最近は利用者に対する還元が大きいということがQRコード決済のメリットとして大々的に取り上げられているが、これ以外にも素晴らしいメリットが存在する。それは店舗における導入コストである。従来の電子マネーに対応しようとすると、専用のカードリーダーなどの機材の導入や、決済ごとに発生する手数料を店舗が負担する必要があった。しかし、QRコード決済では、カメラ機能のついたスマートフォンやタブレット端末があれば簡単に導入することが可能である。そのため、専用の機器を用意する必要がなくなり導入を行いやすくなっている。利用時の手数料に関してもQRコード決済は他の電子マネーに比べると安くなっているところが多い。
これによって大手のチェーン店以外の個人経営の店舗や、観光地などの屋台でもQRコード決済の導入が楽に行うるようになった。そのため、今まで現金での支払いにしか対応できなかった店舗でも現金を使用せずに決済が可能になることが期待できる。今後はQRコード決済によって今まで以上にキャッシュレスの世界に近づくのではないだろうか？