2019年6月28日、並楽館2階学生ラウンジにて、第50期志学会執行委員会主催のアッセンブリアワーが開催された。正課では補えない幅広い知識や教養を身に付けることを目的に、社会の第一線で活躍している方々や各分野の第一人者などをゲストとして招きいれる企画だ。今回のゲストは声優、ナレーターとして活躍している安元洋貴さんだ。安元さんは低い地声を特徴としている。
期待の募る雰囲気の中登場した安元さんに、一同歓声が上がった。大きな体格と会場に響く低温ボイスに圧倒されてしまったが、本学の学生に対して冗談を含ませながらも明るく応じる安元さんからは、温かい人柄が滲み出ているように思えた。
「学食がでけぇ。」それが放たれた第一声であった。終始安元さんは本学の敷地の広さに驚いていた。学内の広さに慣れてしまった私としては安元さんの驚き様は新鮮であった。 雑談が交わされた後、安元さんは声優になるまでの経過を語った。大学のサークルでは舞台演劇をしていた。その頃から地声の低さを気にかけていたが、いつしか低い地声を生かした職業に就くことができるのではないかと考えた。声優になった直接のきっかけは、フリーのアナウンサーから声優のオーディションを受けるように勧められたことだった。
声優になる過程は偶然の連続だったと安元さんは振り返った。その陰には多くの人の支えがあった。自身の力は自分が思っている以上にたいしたものではなかったが、多くの人が自分を後押ししてくれていた。その事実に若い頃は気が付けなかったと話した。現在の安元さんのツイッターのプロフィールには「とても人に恵まれています。」と書かれている。
最後には自身の将来の夢を「多くの経験を積んでたくさんの人に道を踏み外さないように助言できる、そんなおじいちゃんになりたい。」と語った。
人との繋がりを実感して生きる安元さんの話を聞いて、改めて自身の人間関係を振り返った人もいるのではないだろうか。