2017年度に設立された本学の現代社会学部には、プロジェクト演習という講義がある。そのうちの一つが「小豆島島鱧」のブランド化推進に取り組む塩谷芳也ゼミ(通称ハモプロ)である。ゼミ活動が始まって2年の同ゼミ担当教員の塩谷芳也助教に取材を行い、プロジェクト演習でどのようなことをしているのか、その一部始終を聞いた。
塩谷助教が指導するこのゼミの最大の特徴は、どのような結果を残すかではなく、目的に向かって行動する過程に重きを置いている点だ。例えば、授業では自分たちの力量に見合った難度で、短期間で結果が出るようなプランを立て、実行している。助教は、生徒が成長するために必要なものとして臆せずに挑戦できること、生徒がギリギリ乗り越えられる課題に挑戦することをあげている。そのためにゼミで活動内容を決める時には細心の注意を払っているそうだ。
実際に今年彼等がインスタグラム上で主催した島鱧のレシピコンテストは、若者に知名度があり、新規の顧客誘致と情報の拡散を素早くできるインターネット特有の利点を活用した。賞の受賞者には島鱧のリピーターになってもらうことで更なる利用促進が見込めると考えたために採用したそうだ。
この2年の間に同ゼミは他にも神山祭で「はも天」と称して鱧を模擬店で販売したり、小豆島観光戦略会議の主催する小豆島観光説明会に参加して島鱧を用いたツアーを提案したりしている。その精力的な活動は現代社会学部で評価を早くも得て、ゼミ活動開始1年目にして奨励賞を得るという結果を既に出している。今後ゼミに多様な人材が集い、経験と実績を積み重ねる事により、更なる活躍が見込める。
今回、塩谷ゼミを取材することで少しではあるがプロジェクト演習の実態を知ることができた。新規事業である島鱧のブランド化という同ゼミの取り組みは試行錯誤の連続だろう。そのような困難な課題に取り組む彼らの今後の動向に引き続き着目したい。