神山祭最終日の11月4日に、新聞局主催のトークショーが開催された。ゲストはアイドルマスターの所恵美役等、他多数出演されている声優の藤井ゆきよさんだ。藤井さんは照明技師から声優へ転身するという異色な経歴の持ち主である。
トークショーの整列開始前から会場付近では多くの人で賑わっており、藤井さんの人気ぶりが伺えた。
トークショーが開演し、会場の盛り上がりも高まったところで、今回の目玉企画であるシチュエーションコーナーが始まった。このコーナーは用意したボックスからお題が書かれた紙を引き、そのお題に沿って藤井さんにセリフを言って頂くコーナーだ。「パンケーキ食べに行かない?」というセリフを熱血的に言うシチュエーションでは、藤井さんが最前列の観客に飴を配りながら、会場の周囲を走るという司会者も驚く対応を見せ、観客達を魅了した。藤井さんの「学園祭のイベントはアットホームな雰囲気で楽しい」という発言がはっきりと態度で示されたシーンであったように思う。
講演会終了後行われた取材では、照明技師を辞めて声優の道を歩むことに決めた理由が語られた。演技に関わる仕事をしたいと思い照明技師の仕事をしていたが、密かに抱いていた役者の夢を挑戦もせずに諦めて一生を終えるのが怖くなり、役者を目指す決断に踏み切ったという。藤井さんの「役者の仕事がうまくいかず、食べられなくなって死んでも後悔はないという気持ちで会社を辞めた。」という言葉からもその時の決断が大きなものだったことが分かる。
藤井さんは今後「嘘のないセリフ」を言える声優になりたいと語った。アフレコはアニメの間尺でシーンが展開していくので、そのスピードに感情がついていかないことがあり、それは「嘘のセリフ」であると考えていて、そのようなセリフを言わぬよう日々頑張っていると話した。
前述したように、藤井さんをお招きして開催された今回のトークショーは新聞局が主催している。新聞局では学内外の取材と撮影、そして新聞の作成と発行の他に本局では講演会も行っている。今回の講演会を通して藤井さんの魅力が伝わるとともに本学新聞局の存在が少しでも多くの人に認知されれば幸いである。