11月3日に2020年アメリカ合衆国大統領選挙が行われた。連日の各社の報道にあるように投票日から数日が経過しても決着が着いていない状況である。開票中の現段階ではバイデン氏がリードしているものの、トランプ大統領はバイデン氏側に選挙の不正があったと繰り返し発言しており混乱を極めている。
アメリカファーストを掲げ国内産業の保護を最優先とし、貿易摩擦をめぐり中国への圧力を高めるなど次々に積極的な政策を実行してきたトランプ大統領。これに対しバイデン氏は協調外交をとり、国内では増税を行い新型コロナウイルス対策の財源に充てる事など、堅実路線の政策を打ち出して対抗した。
しかしながら11月7日現在大統領選挙の決着は着いていないばかりでなく、トランプ大統領は裁判の準備を進めている。裁判戦に突入した場合政治の空白が懸念されるが、新型コロナウイルス対策が急務の今は、裁判で空転している場合ではない。また政治の空白の影響は安全保障の観点からも避けたい事態だ。アメリカは太平洋の安全保証にも重要な役割を果たしているため、その間に同盟国に対してなんらかの軍事的な挑発が起こる可能性がある。
両候補とも唯一の超大国であるアメリカのリーダーを自認するならば、自国のためだけではなく同盟国の安全保障のためにも早急に決着を付けるべきだ。