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トンガ火山噴火から


 1月15日、トンガの火山島フンガトンガ・フンガハーパイが噴火した。今回のトンガの火山噴火は、火山大国に住む我々も無関係ではない。噴火による被害として特筆すべきは、火山灰による被害だ。富士山の噴火シミュレーションでは、火山灰が0.1センチ積もると水道の水質が悪化、1センチ積もると停電が発生し、5センチで鉄道の運行は停止するなど、数センチの降灰の影響でインフラはほぼ停止する。また、被害額は最大で約2.5兆円と予測されている。

 

 そんな日本において、富士山以上に恐ろしい被害をもたらす恐れのある火山があることをご存知だろうか。それは鹿児島県の南西に位置する海底火山・鬼界カルデラだ。鬼界カルデアは有史以前から巨大噴火を複数回起こしている海底火山だ。過去の噴火で発生した火砕流は海を渡り、九州南部の縄文人を全滅させたほか、火山灰は遠く離れた東北まで到達したとされている。また、この規模の噴火が現代で発生した場合、わずか数時間で約200万人以上が死亡し、その後の二次災害によって最終的に約1億人の犠牲者が出ると予測されている。

 

 

 しかし、我が国においては頻繁に起きる地震への備えは進んでいるが、噴火への備えはあまり進んでいない。噴火の被害は大規模になることも多く、自治体での対応にも限界がある。迅速な対応が出来るよう国や自治体、社会インフラを担う企業で連携し、対策と指示系統の明確化をさらに進めるべきだ。

 

 

 世代交代も進み、2014年の御岳山や1991年の雲仙岳の噴火による凄惨な記憶は風化しつつある。次世代を担う子どもを中心とした住民の避難訓練や持ち出し袋の準備などでの防災教育も欠かしてはならない。

 

災害は忘れた頃にやってくる。一人ひとりの命を守るために日々の備えが大切だ。

 

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