2024年6月1日に法学部の山田啓二教授が学校法人京都産業大学理事長に就任した。
山田教授は1977年に自治省(現総務省)に入省し、2002年から16年間京都府知事を務めた経験を持つ。知事退任後は本学法学部教授に就任し、学長補佐も兼ねた。2020年からは法学部客員教授および学長特命補佐(2024年5月迄)、2021年からは理事も務めている。
6月3日には理事長就任に伴う記者会見が開かれた。会見では、高等教育における人材育成への関心から本学に着任したという経緯にも触れ、「近年、大学卒業後に就職してもすぐに退職したり、引きこもりになったりしてしまう若者が多く存在する」と問題意識を語った。
今後の展望については、「京都という歴史と文化を学ぶことができるまちで、社会で生き抜く力を持った学生を育成していきたい。学校法人の理事長とは、経営面での責任を負う。教学面での責任を負う学長と分離するのではなく、共にどういう学生を育てるか議論していきたい」と話した。
また、「来年、本学は創立60周年を迎える。人間でいうと還暦の年であり、第二の出発点としたい。伝統と歴史に縛られず社会に適合する大学としたい」とも話す。
山田理事長は中央教育審議会で委員として議論していた際に「大学は地域連携のプラットフォームとなるべきだ」と主張していた。京都は、人口当たりの大学生が極めて多い。本学では京都の持つ価値観を教え、京都で学ぶ価値を与える。企業と文化、そして大学が融合することで東京にも負けない都市になれるのではないかと語った。
また、少子化の中で18歳人口も減少が見込まれている。そのため、大学の経営として難しいこともあるが、だからこそやりがいもあると意気込んだ。社会人となった後のリカレント教育、留学生などを中心とした国際教育なども行い、新たな学生を確保したい考えだ。
歴代の理事長の多くが、本学での長いキャリアを持つ。そのことを、大学を熟知した方が多く堅実で確かな積み上げをしてきたと評価し、自身を外様だという。外様だからこそ人脈なども活かしたいと語った。
山田新理事長の下で来年創立60周年を迎える本学の更なる雄飛に期待したい。
本学理事長に就任した法学部の山田啓二教授