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京都産業大学の喫煙所の現状【前編】


 5月、学内に設置されている喫煙所の椅子が一斉に撤去された。それに対し、椅子を撤去したことの是非、事前に学生への連絡がなかったことなどを中心にSNS上で様々な意見があがった。本局や学生の代表である志学会執行委員会にも相談や連絡があった。

 

 志学会執行委員会は5月8日に公式X(旧Twitter)にて、①大学当局から事前連絡がなかった。②学生の声により椅子の撤去を知った。③現状と今後について大学と話し合い結果を後日報告する。とポストした。

 

 これらの状況を踏まえ、本局は学生支援センター職員、保健管理センター職員及び、志学会執行委員会に取材した。(前中後編の前編)

 

※本記事において以下のように省略させていただきます。

・学生支援センター職員→学生支援センター

・保健管理センター職員→保健管理センター

・志学会執行委員会→執行委員会

 

 今回椅子を撤去した目的として、長時間の滞在による受動喫煙防止を保健管理センターは挙げる。椅子の撤去前は喫煙所が休憩場所となっており、喫煙者以外も滞在していた。この状況を改善するために椅子の撤去へ踏み切ったという。

 SNS等で指摘されていた事前連絡がなかったことに対しては「事前に告知する必要はない」と大学が判断したためだとしたが、今回の反響を受けて今後は事前に連絡したり、学生の意見も活用したりしながら進めたいと話す。

 

 執行委員長(池澤沙姫さん:経営4年次)の「今回私たちも学生からの連絡により椅子の撤去を知った。今後はよりシビアに共有してもらえれば」との要望に、学生支援センター及び保健管理センターは「学生の声を活かしていきたい。意見があれば伝えて欲しい」と応じた。

 

 保健管理センターは、椅子の再設置について、学外の喫煙所の多くは椅子がないことを踏まえ「椅子がないのがスタンダード。再設置する予定はない」と話した。

 ただ、実際椅子の撤去後にポイ捨てや喫煙所周辺での喫煙が増えていることは認識しており灰皿の数なども含め今後検討するとしている。

 

 執行委員会厚生局の委員は、単に喫煙所を撤去するのではなく学生のマナーを向上させることも重要だと指摘した。

 執行委員会が行った学生向けアンケートでは喫煙所について、半数以上の学生が『今のままで良い』と回答したが、これに対し保健管理センターは回答数も少なく、学生の総意ということができるのか不明。喫煙者の方がこの問題に関心を持っており回答率も高い傾向にあるのではないかとコメントした。

 

 今回の取材を通じて、大学当局は「学生への事前連絡及び意見の取入れを行う」と話した。今後の動きについても注視していきたい。