(京都産業大学新聞227号1面掲載)
現在、企業と行政に続く新たなセクターとして注目を浴びているNPO。
今回はその活動に積極的に参加している本学非常勤講師の大島祥子さんに話を伺った。
NPO(非営利団体)と聞けば、皆さんはどのようなイメージを抱くだろうか。近年、何かと市場に影響をもたらしているNPO。だが、まだ認知されていない側面もあり、馴染みがない人も少なくない。そこで今回は非常勤で本学の講義を受け持ちながら、一級建築士事務所スーク創生事務所で代表を務め、複数のNPOに関わっている大島祥子氏にお話を伺った。
大島氏は主に京都を中心に、建築士という立場から京都の建物を通じた街づくりを展開しながら、京都の魅力向上に寄与するNPOの活動に携わっている。
まず、NPOとは政府が活動する行政セクターや企業などが活動する市民セクターとは異なり、それらに属さず、社会問題の解決を目的とし、営利獲得を目的としない第三のセクターである。広義では非営利活動団体だが、認証を受けたNPO法人も存在する。ボランティアは行為を意味し、NPOは組織形態を指す。大島氏が語るにNPOは様々な力を合わせて、事業を含め多様な展開が可能だという。
そのため、ボランティア団体よりも自ずと責任感も大きくなる。当然、国からの助成金をもらう分、その事業成果を報告する義務などが課せられる。一方、企業や行政と異なりフットワークが軽く、多様な繋がりを生かして自らの目的達成のための最短距離の行動ができるのが利点である。現在NPOは様々な形態で広まり、携わる機会も増えているそうだ。
大島氏はそうしたNPOに学生のうちに携わることで、自身の成長の場としてほしいと語った。NPOで出会える人たちは多種多様な価値観を持っているため、関わりを築くことで自身の研鑽や多様な価値観を学ぶ場にもなる。多様なコミュニティに属する有用性を是非感じて欲しい。それにより人としての喜びも同時に得ることができ、人生もより楽しくなるのではないかと述べた。
最後に、大島氏は京都のNPOの特徴として「フラット(水性の関係)」と述べた。社会的立場に関係なく自らが主体となって活動を行うことが大切であり、学生の街という学生主体の事業もあるほどで、その例は、学まちコラボ採択を見てもその多様性が判る。地域コミュニティの活性化や地域文化の継承など様々な目的を掲げている活動がある。
この京都という地で学生のうちにNPOに参加し、自己の成長の場として活用してみてはどうだろうか。